休学して一学期以上遊んでいた私は、いつの間にか度胸がついていたようだ。夢見ていた生活を実際にやってみようと決め、先のことは考えずにとりあえず申し込んだ。2か月の済州での暮らしは私には長すぎると思っていたので、申し込んだ後でこれがもうすぐ四年生になる自分に合った生活か悩んだ。しかしすでに保証金も振り込み、飛行機のチケットも取ってしまっていて、キャンセルするのが面倒だという気持ちでギャップイヤーの開始日を待っていた。
日付はだんだん近づき、周りの人たちにこれから二か月は済州に住むのでしばらく会えないかもしれないと話した。彼らは私に、今すべきことは就職準備や勉強なのではないかと皆心配した。当時は彼らの言葉に心が揺れたが、それに屈さなかった自分が今ではとても立派でありがたい。
#済州の生活がもたらす幸せに浸った
済州での生活は後悔など無いほど幸せで楽しい時間だった。今年だけで三度目の済州訪問だったので有名なところにはもう行かないだろうと思い、漢拏山とマラド(馬羅島)にはぜひ行こうと考えていた。本当に何も考えずに来た済州だったので、夜になるとスタッフのお姉さんと翌日どこに行くかをお互いにおすすめし合うのが日課だった。
だんだん済州の暮らしに慣れると、決めずにとにかく出発するのが習慣になり、休みの日はバスターミナルまでとりあえず行って、一番最初に出発するバスに乗ってから行き先を決めるのが日常になった。
働く日には勤務時間が終わるととにかく出て、『昨日は東の海を見たから今日は西へ行こう』と言って西一周バスに乗り、夕焼けを見たりした。むやみにバスに乗って外の景色を眺めているうちに寝てしまって起きたときに降りたり、バスが暑くて降りたりもした。友達は私の生活を聞いて羨ましがったり、引き続き心配したりしたが私はこの生活がくれる幸せに浸っていたため、もはや他人の心配は耳に入らなかった。
#ここは済州で、私はギャップイヤー中だった
私はギャップイヤーに大きな目的を持って出たのではなかった。大切な休学生活を一日たりとも無為に過ごさないという決意だけだった。だから済州で暮らしている間、陸にいるときに感じていた焦りやプレッシャーは全くなく、ただ楽しく過ごせたのだと思う。私は与えられた仕事をして、残りの時間は思い切り遊び自分のために過ごせばよかったからだ。
ほとんどの日が計画なしに過ぎていったが、今日一日を無駄にしたという虚しさを感じた日は一日もなかった1時間半ほど走って一番好きな海の前に着き、30分座って海だけ見てからまたバスに乗って戻ったこともあるが、時間がもったいないとは思わなかった。ここは済州で私はギャップイヤー中だから。
#私は少しずつ変化し、成長していた。
大きな目標や悩みを抱えて来たギャップイヤーではなかったが、一人で過ごす時間ができると自然と自分で考える時間が増えた。そして思っていたより多くの人に出会い、助言を聞いたり褒められたりして自分について多く考えるようになった。以前に嫌な出来事を経験してから一人で出歩くことを怖がっていた私だったが、ギャップイヤーを過ごす中で一人でもよく動き回るようになり、済州市にある映画館をすべて回って何本も映画を観たりもした。
知らないうちに私は少しずつ変わっていき、成長していた。
私は思っていたより役に立つ人間で、思っていたより多くの人に愛され、思っていたより多くの人を幸せにする存在だった。
#素晴らしい景色だけでなく多くの人々もいた。
済州での生活が幸せだったのは、壮大な景色だけでなく多くの人々がいたからだ。
一緒にいた姉さんは初日から私をとても気にかけてくれ、おばさんもよくしてくれた。
旅行中に出会った人たちもいて、何も考えずに出て偶然歩くことになった西帰浦方面のオルレ道で店もなくて腹ペコだった私に声をかけパンと牛乳をくれた、光のような方と偶然に翰談海岸散策路で再会し、まるで私が済州の住民になったかのように感じたこともあった。
またよく行っていたトラックカフェの店主とも多く話し、多くの助言をもらいこれからの人生についてさらに考えるようになった。そしてそのカフェでお茶を飲みながら店主と話して仲良くなった別の家族に車に乗せてもらい夕焼けを見ながらドライブしたり会話を交わしたりすることもできた。様々な年齢層で異なる人生を生きる多くの人々に出会う貴重な経験ができた。
旅行で出会った人たちだけでなく、本土から済州に来て私と一緒にいた友達、姉、兄もいて、一緒に漢拏山に行こうと来てくれた友達は2泊3日で5年前の修学旅行を思い出させてくれ、学会で来て会ったサークルの先輩はチキンや刺身や豚足とビールで私を幸せにしてくれ、出張で来た姉は飛行機の時間を遅らせて食事一回とカフェで映画を見るゆとりを与えてくれ、済州での暮らしが終わる頃に来てくれた兄は車を借りて二か月間徒歩で旅した間に溜まったうっぷんをドライブで晴らしてくれた。
そして幸せな時間の合間にふと訪れる孤独の瞬間に、家族や友人、大切な人たちの存在の尊さを感じることができた。多くの人のおかげで、無事にそして幸せに済州での暮らしを終えられたように思う。
行って帰ってからレビューを書きつつ2か月を振り返ると、本当に幸せで、変わった自分が見える気がする。
#二度とないロマンティックな時間たち
実際に過ごしていて私が一番心配していたのは、一緒にいたスタッフのお姉さんがいなくなった後に「一人で過ごすと寂しくないだろうか」ということと、天気の悪い日にゲストハウスの大量の洗濯物の心配だけだった。
それだけ心配せずに幸せに過ごせたというだけで、この時間に悔いはない。
海が見たくなるとすぐ海に走ったこの2か月間は、私の人生でもう二度とないであろうロマンティックな時間だった。
経験 ★★★★★
ゲストハウスで働くことは滅多にできない経験で、毎日新しい場所を旅する経験も容易ではない。
学び ★★★★☆
仕事を覚えること、ひとりで過ごす方法を学ぶこと、人との関係を学ぶこと、自分について学ぶこと、すべて可能だ。
環境 ★★★★☆
済州を観光するのに便利な場所にゲストハウスがあり、移動するにも過ごすにも良い環境だ。
安全 ★★★☆☆
冬は日が早く暮れ、中心街でない場所は暗くバスの本数も少ないため注意が必要だ。
余暇 ★★★★☆
働く時間が長くないため、午前勤務の場合は仕事を終えて出かけるのにも良く、午後勤務は仕事開始前に遊んでから戻ってくることもできる。
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